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マーケティングファネルとは?種類と活用法

Webマーケティングの現場で「ファネル」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。マーケティングファネルは、顧客が商品やサービスを初めて知ってから購入に至るまでの流れを図で表したもので、マーケティング施策の全体像を把握し、改善点を見つけるために欠かせないフレームワークです。

ファネル(funnel)は英語で「漏斗(じょうご)」を意味します。多くの人が認知の段階に入り、段階を経るごとに人数が減っていく様子が漏斗の形に似ていることから、この名前がつきました。

本記事では、マーケティングファネルの基本的な考え方から、3つの種類の違い、そしてファネル分析を活用した問題発見と改善の方法まで、実務で使える知識を体系的に解説します。


目次

マーケティングファネルとは

マーケティングファネルとは、見込み顧客が商品やサービスを「認知」してから最終的に「購入」するまでの一連のプロセスを、段階ごとに図式化したものです。上が広く下が狭い逆三角形の形をしており、段階が進むにつれて対象となる人数が減っていく様子を視覚的に表現しています。

たとえば、Web広告を見て商品を知った人が10,000人いたとしても、そこから興味を持つ人は3,000人、比較・検討まで進む人は800人、実際に購入する人は200人、というように段階ごとに人数が絞られていきます。

この「絞り込まれていく構造」を可視化することで、どの段階で多くの見込み顧客が離脱しているのかを把握でき、改善すべきポイントが明確になります。これがマーケティングファネルの最大の価値です。


パーチェスファネル(購買ファネル)

最も基本的なマーケティングファネルが「パーチェスファネル」です。AIDMA(Attention・Interest・Desire・Memory・Action)モデルに基づいて、顧客の購買プロセスを4つの段階に分けて整理します。

パーチェスファネルの基本構造(認知→興味・関心→比較・検討→購入)

認知(Awareness)

顧客が商品やサービスの存在を初めて知る段階です。Web広告、SNS、検索エンジン、口コミ、PRなどが主な接点となります。ファネルの最上部に位置し、対象となる人数が最も多い段階です。

興味・関心(Interest)

商品やサービスの特徴やメリットに関心を持ち、もう少し詳しく知りたいと感じる段階です。Webサイトを訪問して記事を読んだり、動画を視聴したり、SNSアカウントをフォローしたりといった行動が見られます。

比較・検討(Consideration)

購入を視野に入れ、他の商品やサービスと比較する段階です。口コミを調べたり、資料をダウンロードしたり、問い合わせを行ったりする行動が増えます。この段階での情報提供の質が、最終的な購買判断に大きく影響します。

購入(Purchase)

最終的に購入を決定する段階です。申込フォームの入力、契約の締結、決済の完了などが該当します。ファネルの最下部に位置し、対象人数が最も少なくなります。


マーケティングファネルの3つの種類

マーケティングファネルには大きく分けて3つの種類があります。パーチェスファネル、インフルエンスファネル、そしてこの2つを組み合わせたダブルファネルです。

マーケティングファネルの3つの種類(パーチェス・インフルエンス・ダブル)

パーチェスファネル

先ほど解説したとおり、認知から購入までの購買プロセスを表した逆三角形のファネルです。AIDMAモデルに基づいており、マーケティングファネルの中で最も基本的な形です。主に「新規顧客をどう獲得するか」を考える際に活用します。

インフルエンスファネル

購入した後の顧客行動に着目したファネルです。パーチェスファネルとは逆に、下が狭く上が広い三角形の形をしています。購入した顧客がサービスを「継続」して利用し、その良さを周囲に「紹介」し、さらにSNSなどで「発信・拡散」していくプロセスを表しています。

SNS時代においては、既存顧客による口コミや情報発信が新たな認知を生む大きな力になります。そのため、購入後の体験価値を高め、顧客がファンとなって情報を広げてくれる仕組みづくりが重要です。

ダブルファネル

パーチェスファネルとインフルエンスファネルを組み合わせた形です。認知から購入までの逆三角形と、購入後の発信・拡散までの三角形が接合された「砂時計」のような形になります。

ダブルファネルの考え方を取り入れることで、新規顧客の獲得から既存顧客の活性化まで、一貫したマーケティング施策を設計できます。購入がゴールではなく、購入後の顧客体験が次の新規顧客獲得につながる——この循環を意識することが、現代のマーケティングでは不可欠です。


ファネル分析で問題を発見する

マーケティングファネルの大きな強みは、各段階の数値を比較することで問題のある箇所を特定できることです。ファネルの形状を見れば、どこで顧客が離脱しているかが一目でわかります。

ファネル形状から問題を発見する(理想型 vs 問題型の比較)

たとえば、認知の段階で10,000人いるのに、興味・関心の段階で500人まで激減しているファネル(ラッパ型)があったとします。この場合、認知から興味・関心への移行に大きな問題があることがわかります。広告のメッセージがターゲットに響いていない、ランディングページの内容が期待とずれているなど、原因を探ることができます。

一方、認知から比較・検討までは順調に移行しているのに、最後の購入段階で大きく減少している場合は、申込フォームの使い勝手や、価格・条件面の障壁に問題がある可能性が考えられます。

このように、ファネルの形状を分析することで、闇雲に施策を打つのではなく、最も効果の高いポイントに集中してリソースを投入できるようになります。


KPIツリーで問題を深掘りする

ファネル分析で問題のある段階を特定したら、次はKPIツリーを使ってその段階の中をさらに細かく分解します。

KPIツリーでファネルの問題を深掘りする

KPIツリーとは、最終目標(KGI)を達成するために必要な中間指標(KPI)を、ツリー状に分解したものです。たとえば「売上」というKGIは、「購入件数」と「客単価」に分解でき、「購入件数」はさらに「認知数」「興味・関心率」「検討率」「購入率(CVR)」に分解できます。

ファネル分析で「認知から興味・関心への移行率が低い」とわかった場合、KPIツリーでその段階をさらに掘り下げます。広告の表示回数は十分か、クリック率はどうか、ランディングページの直帰率はどうか——こうした具体的な指標に落とし込むことで、実際にどこを改善すればよいかが明確になります。

ファネル分析が「どの段階に問題があるか」を見つける手法だとすれば、KPIツリーは「その段階の中の何が問題か」を特定する手法です。この2つを組み合わせることで、精度の高い改善施策を打てるようになります。


カスタマージャーニーとの組み合わせ

マーケティングファネルが「各段階の人数」に注目しているのに対し、カスタマージャーニーは「各段階での顧客の行動や心理」に注目する手法です。この2つを組み合わせることで、数値面と体験面の両方からマーケティング施策を設計できます。

ファネルとカスタマージャーニーの組み合わせ(フェーズ別の行動・心理・施策)

ファネルの各段階において、顧客がどんなタッチポイント(接点)で情報に触れ、どんな行動を取り、どんな心理状態にあるのか。これを整理することで、段階ごとに最適なコミュニケーション施策を設計できます。

たとえば、認知段階では「何これ?」「便利そう?」という軽い興味しかないため、わかりやすく目を引くSNS広告やSEOコンテンツが有効です。一方、比較・検討段階では「本当に大丈夫?」「他社と何が違う?」という不安を解消するために、事例紹介や無料体験の提供が効果的です。

マーケティングファネルで「どこが問題か」を特定し、カスタマージャーニーで「なぜ離脱するのか」を理解し、KPIツリーで「何を改善するか」を決める。この3つのフレームワークを連携させることが、効果的なマーケティング改善の基本的な進め方です。


ファネルを活用する際のポイント

数値で各段階を把握する

ファネル分析の基本は数値です。各段階の人数や移行率を正確に計測し、定期的にモニタリングすることが大切です。Google Analyticsなどのアクセス解析ツールや、MAツール(マーケティングオートメーション)を活用すれば、ファネルの各段階の数値を自動的に追跡できます。

離脱率の高い箇所に集中する

すべての段階を同時に改善しようとすると、リソースが分散してしまいます。まずは離脱率が最も高い段階に集中し、その原因を特定して改善する。効果が確認できたら、次に離脱率の高い段階に移る——このように優先順位をつけて取り組むのが効率的です。

定期的に見直す

市場環境や顧客の行動は常に変化しています。一度設計したファネルをそのまま使い続けるのではなく、定期的にデータを確認してファネルの形状に変化がないかチェックしましょう。新たな問題が発生していないか、過去の改善施策が引き続き効果を発揮しているかを確認することが重要です。

購入後のプロセスも忘れない

パーチェスファネルだけに注目すると、購入をゴールとして捉えがちです。しかし、インフルエンスファネルやダブルファネルの考え方を取り入れ、購入後の顧客体験にも目を向けましょう。満足した顧客が口コミやSNSで情報を発信してくれれば、それが新たな認知を生み、ファネルの入口を広げることにつながります。


まとめ

マーケティングファネルは、顧客の購買プロセスを可視化し、マーケティング施策の改善点を見つけるための基本的なフレームワークです。パーチェスファネルで購買までの流れを理解し、インフルエンスファネルで購買後の拡散力を捉え、ダブルファネルで全体を統合的に設計する。この3つの視点を持つことで、より効果的なマーケティングが実現できます。

ファネル分析、KPIツリー、カスタマージャーニーを組み合わせれば、「どの段階に問題があるか」「その原因は何か」「どう改善すべきか」を体系的に導き出せます。まずは自社の顧客データをもとにファネルを作成し、各段階の数値を確認するところから始めてみてください。


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