「資格があると転職に有利なのか?」「業界によって求められる資格はあるのか?」など、
転職を検討中に資格取得について考える時があると思います。
少しでもいい条件で転職するために、資格が有効ならば取得しておきたいですよね。
この記事では、転職に有利となる39の資格を紹介し、資格選びで注目すべき6つのポイントをわかりやすく解説しています。退職後に収入がない状況で資格取得を目指す方に向けて、無料でスキルアップできた筆者の実体験に基づくおすすめの方法もお伝えします。
資格は転職に絶対有利なのか?資格選びにも戦略が必要
具体的な資格について検討する前に考えておきたい注意点があります。実は、資格選びにも戦略が必要なのです。
個々の資格をご紹介する前に、把握しておくべき大切な視点についてお伝えします。
資格取得の前に大切なこと
資格があれば必ず採用されるということはありません。
転職の際、企業側としては資格を持っていることよりも実務経験をより重視します。
それでも資格が転職で有利に働くと言える理由は、業務に関する分野について一定の知識やスキルを有していることの証明となるからです。他にも、
・学習意欲高いことの証明になる
・熱意の証明になる
スキルアップへの積極的な姿勢や自主性のアピールになり、未経験業界の場合はなおさら、本気でその仕事に就きたいという強い意志を伝えられることにつながります。
資格選びの戦略①〜転職の目的を整理する
資格を検討する前に、まずは転職する理由を明確にして優先事項を決めることが大切です。
・業種は問わず収入アップをめざしたい
・場所に縛られずに働きたい
・在宅ワーク中心にしたい
・独立開業したい
・将来無くならない仕事に就きたい
・趣味の時間を確保したい
など、転職後の生き方をどうしたいのか?を考えて優先順位を整理しましょう。
自分の希望に合った分野を決めて、その延長線上で関係する資格があれば取得を考えるのが良いでしょう。
資格選びの戦略②〜業界・職種に合った資格を選択
有名資格であることや資格を数多く持っていることが必ずメリットになるとは限りません。
とりあえず、ではなく、目的や意図を持って資格を選ぶ必要があります。
たとえば、IT系志望の方が「初生ひな鑑別師」など珍しい資格を取得したとして話題になることはあっても業務に関する信頼性にはつながりません。
限られた時間で勉強して転職に生かしたいのならば、仕事に直結する資格を選びましょう。
まずは働きたい業界と職種を決めて、それに関連する資格を取得することが最も重要です。
転職希望の業界・職種・業務内容に関係した資格であれば転職に有利になると言えます。
分野関係なく即戦力になるおすすめ資格
まずは業界・職種や分野に関係なく、取得していることで即戦力になる資格についてご紹介します。
法令・法律によって定められている国家資格である「業務独占資格」と「必置資格(設置義務資格)」です。
国家資格は、国の法律に基づいて各種分野における個人の能力・知識が判定され、特定の職業に従事すると証明される資格であるため、法律によって一定の社会的地位が保証されるものと言えます。
4分類ある国家資格の中でも実務的には「業務独占資格」と「必置資格(設置義務資格)」を取得することがおすすめです。
業務独占資格
業務独占資格とは、その資格を持っている人だけがその業務を独占的に行うことができるものです。
医師なら医師法、弁護士なら弁護士法といった資格の根拠となる法律・法令があります。
高度な知識と技術が求められるため取得の難易度は高いですが、社会的な信用度が高く、高収入であることも特徴で、将来的に独立開業をめざすことも可能です。代表的な業務独占資格は以下の通りです。
必置資格(設置義務資格)
必置資格とは、企業や事業所において事業を行う際に資格保持者を最低1人または複数人必ず配置しなくてはならないことが法律・法令で規定されている資格で、設置義務資格とも呼ばれます。
薬局や旅行会社、土地管理など専門的な職種で必要とされるものですが、業務独占資格ほどハードルは高くなく、防火管理者など講習のみで取得できる国家資格もあります。業務資格と必置資格を兼ねるものがあります。
転職希望の業界・職種に関連した必置資格であれば取得しておくことをおすすめします。
代表的な必置資格は以下の通りです。
転職に重要な視点!「将来無くならない仕事」のおすすめ資格
転職する際の条件として、収入面や業務内容を第一に考える方がほとんどだと思いますが、
そもそも将来的に無くならない仕事か?という視点で業界や職種を検討することも重要です。社会情勢から見て今後も長く需要がある=多くの人材が求められる分野として最たるものは 、IT系と介護分野です。
IT系のおすすめ資格
IT系はすべての業界・業種を支える基盤となる仕事であり、政府が働き方改革やDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を積極的に進めるなど、IT系職種の需要は益々拡大しています。
IPA(情報処理推進機構)が調査した「DX白書2021」や経済産業省によるIT人材需要の調査では、
・2030年の段階でIT人材やエンジニアは79万人が不足すると予想されており、
・現在IT人材が不足していると感じている企業が約70〜90%という結果が出ています。
小学校の授業で必修となったプログラミングはスクールが増えていて転職支援を行うところもあるなど、IT系に転職しやすい環境が整ってきています。webエンジニアをはじめとするIT系職種は今後益々需要が高まるでしょう。
IT未経験者や初心者の方は、以下のIT系職種全般を網羅する資格から取得していくことをおすすめします。
- ITパスポート
IT業界に必要な基礎知識を証明することができる国家資格です。IT資格取得のファーストステップとして情報技術に携わる仕事をめざす人におすすめです。 - 基本情報技術者
最も基本的な情報処理の資格。ITエンジニアの登竜門で、情報技術全般に関する基本的な知識・技術をすでに持っている人や、プログラム設計書を作成し、プログラム開発、単体テストまでの一連のプロセスを担当する人のための国家資格です。 - 応用情報技術者
基本情報技術者よりワンランク上のIT人材として応用的知識・技術を持っていることを証明する国家資格。情報技術を活用した戦略立案、経営戦略、情報戦略の策定に際して、経営者の方針や経営を取り巻く外部環境を正確に捉え、動向や事例を収集できることなどの技術水準が求められます。
介護分野のおすすめ資格
総務省統計局の調査によると、2021年時点で65歳以上の人口は全人口のおよそ30%を占めています。この割合は少子高齢化に伴って今後益々増えることが予測されていますが、介護の現場では圧倒的に人材が不足しています。
以下の資格があれば介護分野で即戦力となり、実務経験と合わせてキャリアアップもめざせます。
- 介護職員初任者研修
介護の仕事に就く場合はこれが最も基本の資格であり、在宅や施設を問わず介護職として働く上で基本となる技術や知識を習得する研修(厚生労働省)です。資格取得のためには、講義と演習で構成される約130時間の研修を受講し、修了試験に合格する必要があります。
介護の仕事は大きく分けると身体介護(食事・排泄・入浴など身体に直接触れる介助)と生活援助(買い物や料理・送迎など身の回りのサポート)の2種類がありますが、介護職員初任者研修を取得すると、身体介護に従事できるようになり、訪問介護も可能となります。研修を終了して試験に合格すれば資格取得できるため難易度は低く、受講資格の条件もありません。
この資格をきっかけに、介護福祉士などの資格を取得してキャリアアップを目指していくのが望ましいです。 - 介護福祉士
介護福祉の専門職であり、介護分野の資格のなかで唯一の国家資格です。
介護を必要としている人の食事や入浴の介助、洗濯や炊事など生活全般をサポートしながら、更にそれぞれの方がその人らしい生活ができるような精神面も含めた相談サポートも行います。他の介護職員の指導や育成を行うなどより責任ある立場で仕事ができます。施設側でも介護福祉士の資格保持者が一定数いると国から補助金が得られるというメリットがあります。国家試験の受験には実務経験3年+介護職員実務者研修修了などの条件があります。 - ケアマネージャー(介護支援専門員)
介護保険を利用している人に対して、ケアプランを提案したり作成したりすることが主な業務です。要介護の人に対してどのような介護が良いのかを家族や本人と相談しマネジメントを行います。ケアマネージャーになるには、介護・医療・福祉のいずれかの資格を持った上で最低5年の実務経験が必要となっています。
転職を有利に導く「業界別」おすすめ資格
資格選びにおいては前述のとおり、転職希望の業界・職種・業務内容に関係した資格であれば転職に有利と言えます。
ここでは主な業界ごとに、必要な資格や持っていると実力を評価される資格についてご紹介します。
観光業界への転職におすすめの資格
- 旅行業務取扱管理者
旅行に関する実務知識を証明する旅行業界で唯一の国家資格です。
旅行者に対する取引条件の説明や適切な書面交付などといった国内旅行販売における管理・監督を担うことができます。
・取扱区域が限られた「地域限定旅行業務取扱管理者」
・国内旅行のみを取り扱える「国内旅行業務取扱管理者」
・国内・海外全てを扱える「総合旅行業務取扱管理者」
の3種類があります。旅行会社や営業所内に必ず1名以上必要な必置資格であり、転職にも有利と言えます。 - 全国通訳案内士
通訳案内士法で定められた国土交通省認定の国家資格であり、報酬を受けて外国人に付き添い外国語で旅行案内ができることを証明するものです。試験に合格すれば、高度な外国語能力や日本全国の自然・歴史・文化等の観光に関する質の高い知識を持つ者として、都道府県の登録を受けた上で仕事ができます。
観光業界ではコロナ禍によって落ち込んだインバウンドの回復をめざす動きがあり、ゲストをもてなすホスピタリティも合わせて高度な専門性を持つ全国通訳案内士は、国の観光産業を支える人材としても必要不可欠とされています。
フリーランスとして働いている方も多いので、将来的に独立・開業を目指したい方にもおすすめです。
不動産業界への転職におすすめの資格
- 宅地建物取引士
不動産の売買や賃貸の仲介に必要な国家資格で、不動産関連会社では従業員5人に対して1人以上の有資格者を置く必要がある「必置資格」のため需要は高いと言えます。
資格を取得することで、土地や建物の売買、斡旋、詳細な説明ができるようになります。
不動産業界だけではなく、建設業の建設用地の売買(仕入れ)と分譲販売契約(販売)に必須であり、金融業の不動産ローン審査、証券業の不動産投資信託、などにおいても資格取得が推奨されています。
宅地建物取引士の資格があれば活躍できる業界が増えると言えます。 - 管理業務主任者
マンション管理業者が管理組合に対して重要事項の説明などを行う場合に必要となる国家資格で、マンション管理における広い知識を有していることを証明できます。マンション管理会社は一定数の管理業務主任者を設置する義務があり、この資格を取得していなければできないマンション管理業務もあるという必置資格のため、求められる可能性が高いと言えます。
建築・建設業界への転職におすすめの資格
- 宅地建物取引士
不動産業界と同様、建築・建設業界でも有利となる資格です(詳細は上記)。実際に、20代で日商簿記2級と建設業経理士2級、そして宅地建物取引士の資格を取得して仕事に就くことができたという事例もあります。
業界・業種に合った複数の資格を取得することも転職を成功させるポイントと言えます。 - CAD利用者技術者
設計支援ツール「CAD」を使い、設計図の作図を行えることを証明できる資格です。
CADは多くのメーカーや建築業界をはじめ、自動車や電子機器など様々な業界で使用されているツールなので、転職先の選択肢が広がりやすく、未経験の転職にも役立ちます。ソフトを使った仕事のため、在宅で仕事ができる求人もあります。実際に、宅地建物取引士と合わせてCAD利用技術者2級を取得し、建設会社で入札担当と現場管理をしているという事例があります。
飲食・サービス業界への転職におすすめの資格
- 栄養士・管理栄養士
栄養士は都道府県知事の免許を受けた国家資格で、管理栄養士は厚生労働大臣の免許を受けた国家資格です。
栄養士は幼稚園・小学校などの教育施設など健康サポートが求められる場で、管理栄養士は病院や福祉施設などの栄養指導が求められる場で仕事を担当します。
学校などの教育施設や病院などの医療施設、老人ホームなどの福祉・介護施設等で管理栄養士または栄養士の配置が義務付けられている場合があります。また食品メーカーなどでも栄養士を募集することがあります。 - 販売士
販売に関することだけでなく、店舗運営の仕組みや販促企画の打ち方、マーケティングや経営計画に関することなど、流通・小売業全般の知識・ノウハウを証明できる資格です。
3級から1級まであり、1級までとると店長クラスの専門知識があることを証明できます。
流通・小売業界では唯一の公的資格なので、特に小売業で働きたい人には役立つ資格と言えます。
金融・保険業界への転職におすすめの資格
- ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)
資産に応じた貯蓄・投資等のプラン立案・相談の技能を認定する資格です。
ライフプランニングと資金計画、リスク管理、金融資産運用、タックスプランニング、不動産運用、相続・事業承継などのテーマから試験が実施されます。
金融・証券・保険会社で取得を推奨される資格ですが、一般企業の経理や総務でも能力を発揮できます。 - 証券外務員資格
有価証券の売買など金融商品の勧誘の際に必須とされる資格です。
金融だけでなく経済に関する幅広い知識を身につけられるので活用できる機会が多いのもポイントです。
金融業界は比較的収入も高いので年収アップを目指したい人におすすめ。
一種と二種がありますが、未経験で金融業界への転職をめざすならまず二種外務員資格試験を受けると良いでしょう。
未経験転職にも役立つ汎用性の高いおすすめ資格
業界・分野を問わず、特定のスキルを備えていることが証明できて業務に役立つ汎用性の高い資格についてご紹介します。
複数の業界を希望していたり、業界を問わず一定の評価を得られるスキルを得たい場合におすすめです。
経歴を活かしたキャリアアップや自分自身のスキルアップにも効果的な資格を、スキル別にピックアップして解説します。
語学力をアピールできるおすすめ資格
- TOEIC(Test of English for International Communication )
資格とは異なりますが、英語力を評価する検定試験です。合格・不合格ではなく10~999点のスコアで評価します。
外資系企業や海外と関わりのある企業はもちろん、グローバル化が進む現在はどの業界・業種に転職する場合でも持っていて損のないスキルです。海外に販路拡大を求めたり、外国人が顧客になるなどの変化はどの会社にもあり得ることで、現状は英語が必要のない会社でも今後の事業戦略上必要になる可能性を考慮しているケースは多いと言えます。世界共通語である英語をマスターすることはこれからのビジネスにおいて大変重要であり、転職においても評価される能力です。
TOEICには数種の試験がありますが、一般的にTOEICとして認識されているのはリスニングとリーディング能力を測る「TOEIC LR」です。スピーキングとライティングの能力を測る「TOEIC SW」も合わせて受験するとより評価は高いでしょう。転職を有利に導くには700点以上が望ましいですが、スコアは高いほど評価されます。英語を頻繁に使わない仕事であればまずは600点以上をめざしましょう。求人の応募条件としてTOEICのスコアを明記している企業も多数あるので、気になる業界・企業の求人を見て目標スコアを定めるのも良いでしょう。
経理・会計知識をアピールできるおすすめ資格
- 簿記
企業での財務や経理、一般事務でも役立ちます。営業職などでも財務諸表が読めるなど数字に強いことが証明できるため汎用性が高い資格です。簿記を学ぶことで基礎的な経営管理方法や分析力も身につくので、企業からの信頼度も高くなります。主催団体や特徴が異なる複数の資格がありますが、中でも日本商工会議所が主催する日商簿記検定がよく知られています。実践力をアピールするには2級以上が望ましいです。1級を取得すると税理士の国家試験受験資格が得られます。
書類作成スキルをアピールできるおすすめ資格
- MOS(Microsoft Office Specialist)
Excel、Word、PowerPointなどマイクロソフトオフィス製品の操作スキルを認定する資格です。マイクロソフトオフィスは多くの企業が導入していて評価が高く、世界で通用することもポイントです。企画書や調査・分析資料、公的書類など、どの業界でも発生する書類作成業務に役立ちます。
Word/Excel/Access/PowerPoint/Outlookの5種類のソフトから科目ごとに受験が可能です。一般レベルのスペシャリストと、上級レベルのエキスパートの2種類があり、短期での取得ならスペシャリストを、より高いパソコンスキルをアピールするならエキスパートがおすすめです。
経営課題の解決力をアピールできるおすすめ資格
- 中小企業診断士
経営コンサルティングに関する唯一の国家資格で、中小企業の経営課題を明確化して改善に向けたアドバイスを行う仕事ができます。日本の企業の99%は中小企業のため、将来的な需要は安定しています。
販売やマーケティングはもちろん会計や財務、生産管理など幅広く学ぶため業界・業種関係なく役立ちます。日本版MBAとも呼ばれ、企業の管理部門への転職にも役立つ資格です。
機動力をアピールできるおすすめ資格
- 普通自動車第一種運転免許・第二種運転免許
自動車に乗って外回りをする営業職や運送業で必要となる資格ですが、どの業界でも自動車での移動が必要になる局面があれば活躍できます。合宿などに通えば最短で1ヶ月かからず取得することができます。
普通自動車第二種免許を取得すれば、タクシー・バス・ハイヤー・介護タクシー・運転代行業など商業旅客車に人を乗せてサービスを提供する仕事ができるようになります。
普通自動車第二種運転免許は第一種運転免許を取得してから3年以上経過すれば取得可能です。学科および技能試験のほか「応急救護処置講習」と「旅客者講習」が必須となり、第一種免許より難易度は高くなります。
退職後の資格取得におすすめ!筆者が学んだ「職業訓練」
退職した後に収入のない状態で資格取得をめざすなら、できるだけ学費を抑えて効率良く学びたいはず。
そんな方には公的制度として設けられている「職業訓練(ハロートレーニング)」がおすすめです。
IT系から製造系、美容系、介護・福祉系までさまざまなコースがあり、無料で利用できるのです。
筆者は実際に職業訓練を利用してスキルアップし、資格も取得しました。その体験も含めてご説明します。
無料でスキルアップできる「職業訓練」とは?
ハローワークで行われている公的な就職支援制度のことで、ハローワークで求職の申込をした人が再就職や転職に向けてスキルを身につける目的で行われています。失業中の人だけでなく、在職中でキャリアアップのために転職したい人も要件に当てはまれば利用できます。受講料は原則無料(テキスト代などは有料)です。
職業訓練は対象者の違いによって以下の2種類があります。
①雇用保険(失業手当)を受給中の人向けの「公共職業訓練」
②雇用保険の受給資格がない人向けの「求職者支援訓練」
まずは自分が雇用保険を受給しているかどうかによってどちらか選びましょう。
受講条件は「受講開始日からさかのぼって1年以内に公共職業訓練を受講していないこと」。
ハローワークで相談した上で希望の訓練コースを申込み、訓練校への入校選考に合格すれば受講が可能となります。
筆者が利用した「求職者支援訓練」と「求職者支援制度」について
筆者は「求職者支援訓練」を利用しました。求職者支援訓練は以下のように雇用保険を受給していない人を対象としています。
離職した方 | 雇用保険の適用がなかった方、雇用保険の受給が終了した方 フリーランス・自営業を廃業した方 主婦・主夫で仕事を探している方 |
在職中の方 | パート・アルバイト・短期派遣などの非正規雇用で働きながら正社員等への転職を目指す方 フリーランスで働きながら正社員等への転職を目指す方 |
また、対象者のうち一定の条件を満たせば給付金を受け取りながら訓練を受けられる「求職者支援訓練制度」があります。
給付金の内容は以下の通りです。
条件に合わず給付金を受けられない場合でも、無料で職業訓練を受講でき、就職サポートも受けられますので、転職や再就職をめざす人にとって非常に有益です。
訓練期間はコースによりますが2〜6ヶ月で設定されており、職業訓練校として認定された民間の教育機関で行われます。訓練校はコースごとに異なります。
需要の高いweb分野〜筆者おすすめはDXアップのwebマーケティング
具体的な職業訓練のおすすめコースについて、筆者の実体験を元にお伝えします。
職業訓練の探し方
職業訓練の具体的なコースはハローワークインターネットサービスで調べることができます。
職業訓練は自分の居住地域だけでなく全国どこでも受講可能です。地域によってコースの数や内容に違いがあり、居住地域に希望のコースを受けられる訓練校がない場合もあり得ます。その場合は、近隣都道府県を探すこともできますが、利便性から言うとeラーニング(オンライン講座)がおすすめです。
筆者がオンライン講座を探した際に便利だった検索サイトが職業訓練.com。募集中のオンライン講座がわかりやすくまとめられているほか、ジャンル別や目的から探すこともできて便利です。
筆者が選んだのはDXアップのwebマーケティングコース
求人市場で需要が高まっているのがweb分野。数ある職業訓練の中でもwebデザインやweb制作、プログラミングなどのコースが増えていて、受講希望者にも人気です。
筆者は、webデザインと迷いつつもwebマーケティングを選びました。理由は、今後ますますあらゆる広告やコンテンツがweb中心に移行していく中で、どんなサービス・商品でもwebで認知を広げ売り出していくには「webでのマーケティングスキル」を身につけることが必須だと感じたからです。デザインスキルに絞るよりも緊急性や汎用性があると考えました。
調べたなかでもDXアップという訓練校が実施する内容が圧倒的に良く、網羅的かつ実践が豊富で個人に寄り添ったサポートがあることが魅力的で受講を決めました。DXアップはwebマーケティングだけでなく、webデザインやwebディレクションなど最新のwebスキル全般を教えているスクールであることも決め手となりました。
受講の結果としては、大正解でした。
webマーケティングの全般的な知識を得られたと共に、実践的な課題に取り組むことで実務に直結するスキルが身に付きました。資格としては、
・Google検索広告認定資格
・GoogleAnalytics Individual Qualification(GAIQ)上級者
を取得できました。Googleを理解し使いこなすことはweb系職種では必須なため、これらの資格取得は特におすすめです。
DXアップでは就職サポートも手厚く、定期的なキャリアコンサルティングのほか、求人応募や書類作成について丁寧なアドバイスをいただけました。求職中は不安で気持ちが落ち込みやすいものですが、客観的で的確な視点で導いていただけるので大変心強かったです。
DXアップの職業訓練でwebマーケティングを学んだことは、総合的に見てメリットしかないというのが実体験から得た感想です。
孤独で心折れがちな勉強も、いつでも質問できるオンラインの体制が支えとなり、ポイントを絞り込んだ講義と指導のお陰で効率良く広範囲で濃い内容を学ぶことができました。マーケティング視点で自分の価値を客観視できるようになったことも貴重な学びでした。しかもすべて無料で受けられるということが精神的にも大きな助けになりました。
退職後に仕事を探しながら学ぶ場合はぜひ一度検討してみてください。
最後に、訓練校とコースを選ぶ際のワンポイントをお伝えします。
・訓練校のサイトを良く確認した上で、必ず説明会や見学会に参加してから受講の判断をする
・不明点などがあれば受講申込前に質問してみてください
説明会や質問への対応で訓練校の雰囲気や自分との相性などもわかって安心です。
まとめ
今回は、転職を有利に導く資格のポイントと選び方、おすすめの資格についてご紹介しました。
資格取得を考える際に何より重要なのは、ご自身が転職したい業界と職種を決め、それに関連する資格を選ぶことです。
同じ業界・職種への転職ならキャリアアップが図れる資格を検討しましょう。別業界への転職なら動機が重視されるため、やりたい仕を明確化し、社会的需要なども考慮した上で関連する資格を選びましょう。
退職後に収入のない状態で転職活動をする場合は、無料で受講できて就職サポートも受けられる職業訓練がおすすめです。
資格を取得することは、個別のスキルを身につけるだけでなく、学習を乗り越えたことの自信や転職へのポジティブマインドを身に付けられることが何より大きな収穫なのだと感じます。
この記事で気になった業界・職種や資格について詳しく調べることからはじめてみてはいかがでしょうか。